推しは推せる時に推せ

こんなご時世になって身に染みるほど思う

「会いたい人には会えるうちに会え」って言葉。いやニュアンスなだけだけど、会いたい人にはいつでも会えるって思ってたら別れなんてあっという間に来てしまう。人間って思ってるより呆気なくて脆い存在だって思い知らされた。


私は中学生の頃から一番好きな俳優さんが居た。写真集を買ったり、彼の出てるドラマはしっかり見たり、DVD BOX買ったりもした。友達も私が彼を好きなのを知っていたからお手紙に写真入れてくれたりしたのも印象に残ってるし、今でも大切に残している。


社会人になって、色んなものにハマりながらも彼のことはずっと好きだった。彼の主演舞台のチケットが取れた。仕事が休めなくて予定が上手く組めなくてチケットを手放した。


きっとまた再演や続編や、他の舞台を観に行けばいい。今回はたまたま運が悪かっただけだ。そう思って手放したチケットだった。


コロナが流行って、彼の主演ドラマが決まった頃だった。ハマっていたゲームのワールドチャットで信じられない言葉を目にした。自分の目を疑ったし、どこのフェイクニュースだよって笑いながら思って検索をしようとする指は震えていた。Twitterで検索をして、すぐにその話題はヒットした。


嘘じゃなかった。本当だった。

彼はもう二度と会えない存在になってしまっていた。息が上手く出来なくて、手が震えて、必死に立ち上がって自分を落ち着かせようとしたけど無理だった。二度と会えない事実に頭は追いつかなくて、気持ちも追いつかなくて、情けないけど声を上げて泣き喚いた。信じたくなかった、信じられるわけがなかった。


歌も出したばかりだった、ドラマだって撮影中だった。映画だって公開前だった。どうして、どうして、という感情しかわかなかった。また会えると思っていたからチケットを手放した。簡単に私の「また会える」は打ち砕かれた。もう二度と会えなくなってしまった、彼の笑顔も優しい声も二度と観ることは叶わなくなった。



彼が居なくなって一年以上経った今も、私は彼の出ている作品を観ることは出来ない。彼が居なくなったことをまだ受け止めきれていないから、ボロボロ泣いてしまう。どうしてあの時無理矢理にでも行かなかったのか、後悔ばかりが未だに残っている。コロナが落ち着いたら、私はもう二度と後悔したくない。会いたい人には多少の無理をしても会おうと決めた。推しだけじゃない、友人だってそうだ。


いつ自分や相手に何が起きるかわからないのだから。絶対に後悔はしたくない。もう二度と失って泣かないようにしようと身をもって学んだそんなココ最近。